日本法規
労働安全衛生法(安衛法)とは
2025.06.05
概要
労働安全衛生法(以下「安衛法」)は、昭和47年(1972年)に制定された日本の法律で、
職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的としています。
この法律は、労働災害の防止を主な目的としており、特に化学物質を扱う作業環境におけるリスク管理が重要な要素となっています。
安衛法における表示・文書交付制度
- 制度の目的
安衛法(労働安全衛生法)は、職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的としています。
特に、化学物質に関連する労働災害を防止するために、その危険有害性を正確に伝えることが重要です。
具体的には以下の目的があります。
- 労働者の安全と健康の確保
- 快適な職場環境の促進
- 労働災害の防止
- 制度の背景
職場で化学物質を取り扱う際に、その危険有害性や適切な取り扱い方法が不明なまま使用されると、
爆発や中毒などの労働災害が発生する可能性があります。
これらの事故は過去に頻繁に発生しており、それを未然に防ぐために情報伝達が求められています。
- 情報伝達とリスク管理
化学物質の取り扱いに関しては、以下の情報伝達とリスク管理が必要とされます。
- 危険有害性情報の確実な伝達
- リスクアセスメント(リスク評価)の実施
- 合理的な化学物質管理
事業者は、リスクに基づく措置を検討・実施する責任があります。この仕組みにより、労働者の健康障害を未然に防ぐことが求められます。
- 具体的な対策
労働安全衛生法施行令別表第9および別表第3第1号に掲げる化学物質やその製剤に対しては、
以下の3つの具体的な対策が義務付けられています。
- ラベル表示
- 譲渡または提供する際に、容器または包装に適切なラベルを表示すること。
- 安全データシート(SDS)の交付
- 危険有害性に関する詳細な情報を含むSDSを作成し、交付すること。
- リスクアセスメント
- 化学物質等を取り扱う際に、その危険性に基づくリスク評価を実施し、その結果に基づく適切な措置を取ること。
- まとめ
この制度は、労働者および事業者が化学物質の危険性を正しく理解し、安全で快適な職場環境を確保するために不可欠です。
適切な情報伝達とリスク管理は、労働災害の防止に直結するため、事業者にとって重要な責務となっています。
※安衛法改正に関する情報はこちら
※SDS(MSDS)のサンプル(見本)はこちら
参考文献
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131003-01-all.pdf