キシレン(CAS番号1330-20-7)には、キシレン異性体の他に、エチルベンゼンも含まれていると聞きました。キシレンを含む製品のSDSを作成するにあたって留意すべきことはありますか? GHS分類 SDSの記載方法 日本法規
国内向けのSDSでは、成分にエチルベンゼンを加えることをお勧めします。
キシレン(混合体)(CAS番号1330-20-7)は、オルソ(o-)、メタ(m-)、パラ(p-) のキシレン異性体の混合物です。一般的に流通しているキシレン(混合体)には、キシレンの他にエチルベンゼンが含まれています。エチルベンゼンの含有量は、キシレン混合体の製造方法によって異なり、多い物では50%を超えます。
キシレンとエチルベンゼンは、それぞれ次の法規制に該当します。
- キシレン
- 化管法:第一種
- 安衛法:名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物
- 安衛法有機則:第二種有機溶剤等
- エチルベンゼン
- 化管法:第一種
- 安衛法:名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物
- 安衛法特化則:特定化学物質(第二類物質)
日本政府によるGHS分類結果のキシレン異性体混合体とエチルベンゼンのGHS分類は同じではありません。
- キシレン
- 急性毒性(経皮) 区分4
- 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
- 皮膚腐食性/刺激性 区分2
- 眼刺激性 区分2
- 生殖毒性 区分1B
- 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓)、区分3 (麻酔作用)
- 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器)
- 誤えん有害性 区分1
- 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
- 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2
- エチルベンゼン
- 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
- 眼刺激性 区分2B
- 発がん性 区分2
- 生殖毒性 区分1B
- 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)
- 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (聴覚器)
- 誤えん有害性 区分1
- 水生環境有害性 短期(急性) 区分1
- 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2
適切な法規制情報と危険有害性情報を提供するために、製品に含まれるキシレン(混合体)の一部がエチルベンゼンであるとしてSDSを作成することをお勧めします。
弊社では、キシレン(混合体)の50%がエチルベンゼンであるとして、日本語SDSを作成しています。