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初心者必見!SDSの基礎のキソ
日本法規

濃度基準値とは?

2025.07.22

濃度基準値(のうどきじゅんち)は、職場などでの化学物質へのばく露による健康障害を防止するために、
「この濃度以下であれば一般的に健康被害は起きにくい」とされる指標です。
これは、労働安全衛生法に基づき、労働者の安全を守る目的で設定されており、事業者が守るべき一つの基準です。
 

■設定の根拠
濃度基準値は、次のような根拠に基づき設定されています。
•科学的・疫学的な信頼できる文献データに基づく
•ばく露により健康影響が明確であること(特定の標的臓器毒性など)
•長期ばく露による健康障害を防ぐ観点から「8時間時間加重平均(TWA)」で設定
•高濃度短時間ばく露のリスクに対応する「短時間濃度基準値(STEL)」も設定あり
 

■濃度基準値の種類と意味
厚労省では、次の2つの値を提示しています。
1. 8時間時間荷重平均濃度(TWA)
•労働者が1日8時間、週40時間働いた場合にばく露しても健康障害が生じないとされる平均濃度。
•単位:ppm または mg/m³
 

2. 短時間濃度基準値(STEL)
•短時間(例:15分間)ばく露されたときでも健康障害が起きないとされる上限。
•長時間ではなく、作業工程中の一時的なピークを評価する指標。
 

■SDS(安全データシート)との関係
SDSに記載する際は、JIS Z7253に基づくSDSの「8.ばく露防止及び保護措置」欄に記載してください。
これは、事業者が労働者に対して必要なリスク情報を提供するためです。
なお、法改正や新規物質の追加に伴い、濃度基準値が設定・更新される場合があるため、最新情報の確認が重要です。
 

■GHS Assistantでは、令和7年10月1日施行の濃度基準値設定物質についても対応しております。

最新バージョン v4.34の内容についてはこちら

 
 

参考文献

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11237.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32871.html

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